最新情報 NEWS

腰痛

2022.03.01

腰そのものに問題がある場合だけでなく、職業、生活習慣、ストレスなどの要因が複雑に絡んでいるため、自分の生活をかえりみることが腰痛の原因を知るための第一歩となります。病気やけがによる自覚症状の調査では男性1位、女性の2位が腰痛となっております。腰痛の多くは原因不明ですが、15%程度は原因を特定できる「特異的腰痛」です。代表的な腰痛の種類として椎間板ヘルニア、高齢者に多い腰部脊柱管狭窄症、骨粗しょう症が挙げられます。そこでこれらの疾患を詳しく解説していきたいと思います。

腰椎椎間板ヘルニア

背骨と背骨の間にはクッションの役割をする「椎間板」という構造があります。加齢などにより外側の線維輪が変性・断裂して椎間板の中にある髄核の一部が飛び出してしまい、脊髄神経根を圧迫することで痛みが起こります。腰やお尻から下肢にしびれや痛みが広がり、力が入りにくくなります(座骨神経痛)。椎間板ヘルニアは、悪い姿勢での動作や作業、喫煙などにより起こりやすいです。

腰部脊柱管狭窄症

背骨は、椎骨と、それをつなぐ椎間板や脊髄の脊側(背中側)にあり胸椎を縦につないでいる黄色靭帯のなどで構成されており、その内側には脊髄の神経が通る「脊柱管」があります。脊柱管とは椎骨が連なって出来たトンネル状の管の事を言います。脊柱管狭窄症とは、その脊柱管が狭くなる事によって起こります。50歳代から徐々に増え始め、60〜70歳代に多くみられます。加齢や仕事による負担、腰などの原因などにより脊骨が変形する事で脊柱管が狭くなります。そのせいで、中を通っている神経が圧迫されて血流が悪くなり、腰や足の痛み、痺れなどの症状が起こります。

骨粗しょう症

主に加齢によりカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが、骨にどのくらい含まれているのかを示す指標である骨密度が減って骨折しやすくなる病気です。椎骨は特に影響を受けやすく、圧迫骨折が起こると脊髄神経根が圧迫されて、背中に慢性の痛みが生じます。

腰椎分離症

背中を反らす動作や体をひねる動作を繰り返すことで、腰椎の後方(関節突起幹部)に亀裂が生じ、 疲労骨折が生じている状態です。成長期では骨の構造が弱いため、 スポーツを行っている小学生~高校生に発症することが多く、特定方向への動作を繰り返すスポーツ(野球・サッカー・バレーボールなど)で、 発症しやすいとされています。腰椎分離症の症状は背中を反らす動作で腰痛を訴える事が多く、腰痛が 2週間以上続く場合は腰椎分離症を疑う必要があります。

腰椎すべり症

腰椎すべり症とは、積み木のように連なる腰椎が、文字通り前方へ滑り出してしまい、様々な症状を引き起こす病気です。腰椎すべり症は、大きく背骨や椎間板などの変性によって起こる「変性すべり症」と、腰椎分離症に続発する「分離すべり症」とに分けられます。

分離すべり症

背骨の本体である椎骨の円柱状の部分の「椎体」と椎体の腹部から出ており関節を構成している「椎弓」とが分離してしまった状態が腰椎分離症です。この状態で放置されてしまうと、分離した部分の腰椎の安定性が失われ、上下の骨にずれ(すべり)が生じてしまいます。

変性すべり症

変性すべり症は、明らかな原因は不明ですが、多くは加齢とともに椎間板や靭帯、関節など腰椎を固定している組織が変性を起こし、それに伴って腰椎の安定性が失われ、腰椎にずれ(すべり)が出現します。このように、加齢や長期間にわたる負荷などによって徐々に腰椎が変性を起こし、その結果発症したすべり症を「腰椎変性すべり症」と呼びます。

腰痛は、ここまでに紹介した病気のほかにも、神経、内臓、血管、心因性の病気(悩みやストレス状況など心理的葛藤から様々な症状が生じるもの)などが原因で起こることがあります。特に内臓の病気や脊椎の腫瘍・感染・炎症・外傷などが原因になっている場合は、早めに見つけて治療する必要があります。

非特異的腰痛

腰痛の約85%は、神経症状(痺れや麻痺など)や重い基礎疾患などがなく、エックス線やMRIなどの画像検査をしても、どこが痛みの原因なのか特定しきれない「非特異的腰痛」です。いわゆる腰痛症と呼ばれるものはこれにあたります。長時間中腰や猫背などの姿勢を続け、腰や背中の筋肉が緊張し続けたときや、運動不足で腰を支える筋力が弱っているときなどに起こります。寒さで筋肉が硬直する冬も神経が刺激されて痛みが起こりやすくなります。通常は、セルフケアをしていれば短期間で軽くなりますが、休養が十分とれなかったり、ストレスなどの心理的要因があると長期化することもあります。
急性の腰痛であるいわゆるぎっくり腰も非特異的腰痛に含まれます。急に無理な動作をしたときなどに起こる腰の組織のけがで、ねんざや、椎間板、腱、靭帯などの損傷が多いと考えられていますが、厳密にどの部分が傷んでいるのかを断定するのは難しいためです。

この非特異的腰痛の何割かは筋肉に由来すると言われます。
ストレッチを行うことで筋肉の柔軟性改善、末梢循環の改善が期待でき、腰痛予防に繋がると考えられます。

 
WEB予約 ☞ 店舗一覧 ☞